fc2ブログ

出会いと別れの季節

2021331.jpg
地域歯科医師会から派遣され嘱託医になっていた特養施設の任期が今年度で満了になり8年間かかわってきた施設での訪問診療が今日で終了となりました。ここのところ送るばかりの役回りでしたが久しぶりに送られる側になり施設のスタッフの皆さんに優しいことばを沢山いただきお別れしてきました。毎日の診療の中でなかなか区切りのない生活をおくっていますが、ひとつの区切りとしてそれなりの達成感を感じています。この8年間で経験したことは大変多く、診療室内で完結していた今までのものとは全く別の必要とされる歯科医療があることがわかました。多くの他職種の方々と知り合うことができ、これからの歯科医師としての診療の幅が大きく拡がりました。歯科衛生士も施設で口腔ケアを担当するようになってから診療室での高齢の患者さんへの対応がとても上手になり、ちょっとやそっとのことでは驚かなくなっています。今後は歯科医師会の別の歯科医院が入ることになりしばらくは落ち着かなくなり施設にはご迷惑をおかけしますが、また新たな出会いの中で他職種の方々と一つのチームを作っていただけたらと思います。

訪問診療用の研磨レーズ

2020616.jpg
 在宅での歯科診療の柱は口腔ケアと義歯治療です。診療室でも義歯治療をおこなう時間は多くあり、最後はレーズをかけて滑らかな面に仕上げてから治療を終わるようにしています。義歯の表面をきれいに仕上げることは義歯治療を進める上でとても大切な工程です。しかし在宅診療にレーズを持っていくことはできないのでせっかく義歯の修理などを行ってもきれいに研磨してあげることができずとても残念な思いをしていました。そこで工具のインパクトドライバーに診療室でレーズに使用しているPVAデントポリッシャーを装着して使用してみました。通常の電動ドリルでは回転数が不足しますがインパクトドライバーであれば研磨に使用する回転数は十分に得られます。これで在宅診療でも義歯をきれいに仕上げることができるようになりフラストレーションがなくなります。

最強ワゴンに進化中

2019913.jpg
先日の改造したマイクロモーターを施設の診療ワゴンに設置しました。棚板を1枚用意しそこにビス留めしてあります。回転数もトルクも言うことなしで義歯の修理や調整が院内と同じ調子で仕事がはかどります。それ以外にもこのワゴンには色々と細工をしてあり、まだまだ改善の余地はありますが最強ワゴンに仕上ってきました。

介護看護スタッフへの勉強会

2015108.jpg
地元の川崎市南部地区での介護士・看護師など高齢者の摂食嚥下にかかわりのある職種の方への勉強会が定期的に行われています。この日は地域にある民間総合病院のホールをお借りして口腔ケアの勉強会を行いました。参加費無料の勉強会ですがこのように地域の民間医療機関や従事者がそれぞれの職種のプライドの下に集まり活動をしています。私も微力ながら参加者に義歯にまつわる是非知っておいていただきたいことを話してきました。このような集まりに医科関係のメーカーは積極的に参加し口腔ケア用品のPRを行っていますが本業のはずの歯科関係のメーカーを見かけることはほとんどありません。未だに限られたパイでしかない歯科医院相手の商売にしか目が向いていないようです。これからの超高齢社会の一部を支える歯科医療関係の一人として残念になります。

白衣の威力

20130920.jpg
卒後の勤務先では長い白衣がユニフォームでしたので開業してもしばらくは長い白衣を着て診療していました。その後はスクラブなど着心地の良いものを着るようになり最近ではポロシャツで診療しています。特養施設担当の話が来たとき、ベテランの先生から「施設に行くときは長い白衣を着て行った方が良いよ」というアドバイスをいただき久しぶりに長い白衣を購入しました。その理由は認知症の患者さんは白衣姿を見ると医者だと認識して言うことをよく聞いてくれるということらしいのです。実際に特養施設に行くようになり、白衣を着て診察するとこちらの言うとおりに口を開けてくれてスタッフの方も驚くことがたびたびあります。いつものようにポロシャツ姿で診察すると歯科医だとは認識されないらしく「お世話になるね旦那さん」などと言われてしまいます。アドバイス通り、やはり白衣の威力は絶大でした。

残存歯数と要介護度

20130829.jpg
残存歯数と健康度の関係には多くのデータが出ています。担当することになった特養施設に週1回のペースで訪問し先日で入所者約50名の皆さんの口腔内診査と機能評価が終わりました。平均年齢は81.7歳、残根を含めた上下の残存歯数の平均は9.58本で残根を除外すると8.82本でした。図の神奈川県で調査した結果やその他の調査とほぼ同じ傾向でしたが要介護状態になると介助無しでのブラッシングは難しく歯垢や食渣が多く見られたので無歯顎の方を見るとホッとしました。要介護状態にならないようにするためには歯の存在は重要ですがこの結果をどう捉えるべきか考えさせられます。これから必要な方の治療に入りますが施設とのかかわりのなかでこれまで歯を保存することにこだわってきた30年の臨床とのつじつま合わせを自分の中で考えていきたいと思います。

口腔ケアーグッズ

2013724.jpg
担当になった特別養護老人ホームとのかかわりは順調に進んでおり、今のところ毎週水曜日のお昼休み前後の時間を使用して入居者の口腔のアセスメントをおこなっています。うれしいことにこの活動を知ったメーカーの方が口腔ケアーグッズを大量に医院まで届けてくれました。早速きょうの訪問時に使用してきました。口腔ケアーの重要性は一般医科や介護の分野では当たり前の話になっていて医科の厳しいコスト管理に見合う安価な口腔ケアー用品が大量に出回っています。その環境の中で歯科のメーカーが参入する余地あるとすれば口腔の専門職である歯科医師や歯科衛生士に認められる他とは違う使いやすい商品を作れるかどうかではないかと思います。施設の方からは専門職からみた口腔ケアーのノウハウを聞きたいという気持がひしひしと伝わってきています。
プロフィール

kanahakihei

Author:kanahakihei
街の普通の歯科医院

カテゴリ
リンク
QRコード
QR