スポーツジムで歯のホワイトニング
平成28年度歯科疾患実態調査の結果

6月2日に厚生労働省から平成28年度歯科疾患実態調査の結果が発表されました。6年ごとに調査が行われ(今後は5年ごと)、国から発表されるデータですので最も信頼できるものと捉えられています。今回8020達成者が50%を超えて歯科医師会の目標が達成されたことが大きく取り上げられていますが、今回の発表で私が一番驚いたのは12歳児のDMFTが0.2になったことです。これまで私は講演のなかで日本の12歳児のDMFTは1.4であり他の予防歯科先進国に近づいていると話してきましたがこれからは日本がすでにトップクラスになっていると話しても良いことになります。調査対象がどのように選別されたかの詳細は報告されていませんが今回口腔内が調査された12歳児は29名でそのDMFTが0.2であったことは間違いのない事実です。調査対象の少ないことが引っかかりますが私の医院に来院する子どもたちを診ていても12歳でう蝕のある子はほとんどいないのでこのような結果が出たことは頷けます。日本学校歯科医会の平成28年度の発表では0.84でしたのでそれを上回ったことは驚きです。
どう思いますか

無断転載が禁じられていますがわれわれの業界にとっては重要な記事ですので無断で載せます。前々回の記事で「患者様」の投稿を取り上げましたが昨日の朝刊でその投稿についての意見が特集されて掲載されました。4名の方がすべて「患者様」はおかしいという意見で、皆さんが医療従事者でなく患者側の立場であることが注目されます。いつから始まったことかわかりませんが「患者様」は日本独特の呼称であり、穿った見方をすれば古くからの医者患者関係を変えることで医療費を少しでも抑制させようとする厚労省の策略だったのかもしれません。これに乗せられてしまった医療機関は本当にお気の毒です。根管充填やマージンもピッタリできないのに「様」をつけたところで何が得られるのでしょうか。
市民公開講座2016
医科から歯科へのメッセージ

地域歯科医師会主催の講演会で2週にわたり二人の医科の先生の講演を聴く機会がありました。そこで医科から歯科への熱いメッセージをいただいたように思います。一つ目は「医科になくて歯科にあるのは患者さんが連続していることでその特性を是非活かして欲しい」ということでした。30年も続けて通ってくれている患者さんや四世代に渡って来院しているご家族がいたり患者さんと永くかかわることが歯科医療だと思っています。糖尿病のお婆さんが孫を糖尿病にしたくないと医院に連れてくるご家族はいませんが入れ歯のお婆さんがお孫さんがそうならないように歯科に連れてくることはよくあることです。これからの時代を背負う子どもたちをしっかり診ていかなければなりませんし将来母となる女の子にはしっかりとした健康観を植え付けていかなければなりません。二つ目は「歯科の先生は形にこだわるのではなく、良く噛んで上手く飲み込むという機能にもっと注目して欲しい」ということでした。脳のCT像に注目しても頭の形や髪型を診る医者はいないでしょう。歯の色や形よりもしっかり噛めて永持ちすることが大切ですし、そのなかのエックス線像の方が大切です。形態が咀嚼機能に関わることまでは医科の先生にはわからないとは思いますが、歯科はこれらのメッセージをしっかり受け止めていかなければなりません。
この先の歯科界

きのうに続いてきょうは母校同窓会の90周年シンポジウムに参加してきました。80周年の時には演者の1人として講演しましたが今回のテーマは「保健・医療・介護・福祉をつなぐための歯科からの提言」で、歯科界の大きな流れはもはや補綴や審美ではなく社会から求められている緊急の課題に対してどのように応えていくかになっています。私たちはどのように応えていけば良いのでしょうか。診療室から一歩出ると医科や介護の世界から歯科への期待や要望を強く感じます。今回のシンポジウムでも何名かの先生からの提言として「とにかく診療室から一歩出てみてください」という意見が出ていましたが、まさにその通りです。その中で私たちは歯科医としてしっかりとした歯科治療を行っていくことが大切で医科の領域までのことを求められている訳ではありません。自分の行った処置の経過をしっかり見ていくということでまずは技術を磨く必要がありますが自己満足になってはならず、患者のためになっていなければなりません。時間軸の中で元気な時は精一杯の歯牙保存と咀嚼機能の回復に努めなければなりませんがそれだけが私たちの仕事ではありません。元気でなくなったときにどのような終末を迎えさせるのかも大切な仕事の一つでそれも経過観察の延長だと考えれば頭はスッキリします。
口から食べられなくなったら
地域包括ケアシステム

この1ヶ月の間に三回の市民講座をおこないました。「歯を大切にすることで健康寿命が延ばせる」とか「在宅でここまで歯の治療ができる」などといった内容でです。この市民公開講座では大腸ガンで退院してきた患者さんを在宅でどのようにケアしていくかを各職種の立場でプレゼンをおこなうというプログラムでした。どの職種の方も至れり尽くせりの内容で市民の方に安心感を与えることができたと思いますが現実的にはなかなか難しいのではないかという不安も残りました。介護のステージでは健康を回復するという目標ではなく穏やかな最期をどのように迎えていただくかということが目標になります。その時に現役世代にあまりにも負担が大きくなるようなお世話が本当に必要なのかどうか、建て前だけではどうにもならなくなる時代がすぐそこまでやってきているように思います。
迫る2025年ショック

昨日の朝日新聞朝刊の記事です。朝日新聞の神奈川版では以前からこの特集を組んでおり、神奈川県が国内でも摂食嚥下リハビリテーションに積極的に取り組んでいる地域であることを反映した記事になっています。当地区でも区民を対象に「口腔ケアで介護予防」という4回コースの教室をおこなっており今回は私がその担当で歯科医師会から派遣されている衛生士さん、看護師さんとともに嚥下機能の測定や体操などを行っています。初回は参加者全員の口腔内診査を行いましたがほとんどの参加者が定期的に歯科医院で健診を受け、口腔内の状態も良好なのには驚きました。最近では高齢者特有の問題を抱える患者さんが多く来院するようになり認知症・嚥下障害・口腔乾燥・根面カリエス・往診依頼など今までとは明らかに違った需要がでてきています。それらに対応できる歯科医師を世の中が求めているのをひしひしと感じます。
認知症国家戦略
