即重レジンの変更

開業以来使用していた即重レジンを全面的に変更しました。今までは重合後の変形が少ないことを理由にトクヤマ社製のキュアファストを使用していました。当院ではほとんどの症例にテックを装着するのでインレーのテック製作時に外せなくなったり重合後に浮いてしまったりするのはチェアータイムを無駄にしてしまうので重合変形が少ないことを即重レジン選択の第一の理由にしていました。周期的に他社からは新製品が発売されており、キュアファストの耐久性や強度に不満を持っていたのですぐに試してはみるもののなかなか変更には踏み切れずにいました。即重レジンは毎日使用するものなので微妙な使い勝手が大切で、材料に対しては保守的な私はなかなか変えられずにいました。しかし他社が新製品を開発するのに対しまったく改良されない同製品とは決別することにしました。新しく導入したのは以前から時々使用し業界でも評判の良い松風社製のプロビナイスです。東急ハンズで容器を購入してきて各ユニットごとに置いて使用しています。硬化時間や筆へのからみ具合などに慣れるのはまだまだ時間がかかりそうですが潔く旧商品の在庫はすべて処分しました。
クリアパック

院内で製作するメタルコアーはほとんどが銀合金ですが、完成したものを作業模型に入ったままにしておくと水分の影響で酸化してしまいます。せっかくラボサイドでサンドブラスト処理をしておいてもスーパーボンドでセットする前にもう一度処理しなければならないこともありました。これでは意味がないということでメタルコアーを入れておくクリアパックというケースを技工士が探してきて使用するようになっていました。
その後、装着前の補綴物を患者さんに見せるときにもこのケースに入れて見せたり、技工室から研磨で仕上がってきた補綴物なども落とさないようにこのケースに入れて持ち運ぶようにしなりました。構造はなかなか写真では表現できませんが、上の図のように二つに分かれており両方の面にサランラップのような薄い膜が張ってあります。その中に補綴物を入れて挟み込むので中で動くよなことはありません。またこの薄い膜は強度に優れどんなにとがったマージンがあっても破けてしまうこともありません。 ケースに入れてあると高級そうに見えるのもおまけの効果です。
ファイバーポストの切断

2006年にジーシー社から発行された患者向けのパンフレットが韓国でも発刊されることになりそのサンプルが届きました。久しぶりに会った知り合いの先生方から診療室で使っているという話を聞いていましたが日本語版の評判がそれなりに良かったそうで自分が監修したものが評価されたことはうれしいかぎりです。韓国には何度も訪れ、現地の歯科医院の見学もしたことがあるので自分にとってはとても身近な国です。見たり聞いたりした範囲のことだけなので定かではありませんが韓国の歯科のレベルは日本より上だと思っています。日本に比べ治療費が高額な分、医院の設備や一人あたりの治療にかけられる時間など治療環境が整備されており国民も歯に対する意識が高いようです。治療方針も日本とは少し違っているので完全に日本人向け作ったパンフレットがどれだけ韓国で通用するかはわかりませんが歯を大切にするという気持ちは万国共通だと思うので少しでも役に立ってくれればと期待しています。
コンディショナーの蓋

ジーシー社製のアイオノマーセメントをお使いの先生は多いと思います。
須貝歯科医院でも合着用セメントはいまだにフジ1、窩洞の裏層や萌出途中の幼若永久歯へのシーラントにはフジ2LCを使用しています。象牙質への表面処理剤として同梱されているCavity Conditioner は使い勝手が悪くすぐに写真の左側のように液だれが固まってしまって蓋が開きづらくなってしまいます。結局最後には蓋と一緒に先のノズル部分が取れドバッとでてしまい「何だコリャ」といって最後まで使えずに捨てることになってしまいます。セメントはどんどん改良されていきますが、こちらの表面処理剤は昔のままで容器ともに置き去りになっています。
このノズルの穴がコントラ用のバーの太さに近いので、使用できなくなったバーを栓にして使用しています。こうすると液だれがしづらくなりコンディショナーを最後まで使うことができます。一度お試し下さい。
マガジンファイル


待合室に置く雑誌の扱いには困っていました。はだかのままではすぐボロボロになってしまうし、透明ビニールのブックホルダーに入れてもマガジンラックに上手く立たたずやがてビニールがゴワゴワになって破れてしまうなどなかなか解決策が見つからずにいました。銀行や飲食店などでいつもチェックしていましたが、最近、時々行くスポーツクラブでよい物を見つけました。外枠はプラスチック製でできており、中央にあるワイアーを雑誌の真ん中のページで挟み込んで使います。どこで購入したかを聞いてもスポーツクラブのスタッフではわからず、あまりしつこく聞くのも変なので自分で探すことになりました。東急ハンズのファイルコーナーで探しましたが、数冊をまとめて保存しておくようなものばかりで雑誌1冊がちょうど入るようなものは見つかりませんでした。店員に聞いてみるとエイチ・エスという会社でそれを作っていることがわかり早速A4タイプとB5タイプを注文し手に入れました。これであればマガジンラックにもしっかりと立ち、雑誌も傷まず、読みやすくなります。エイチ・エスという会社はもともとファイルやバインダーを作っている会社だそうですがHPをチェックしてもマガジンファイルは製品情報には載っていません。しかし大手文具店に注文を入れれば必ず手に入るということでした。 雑誌の種類は受付に任せていますがあらためて並べてみると若い男性が読む雑誌が無いことに気が付きました。スタッフの意見も聞いて今度は若い男性向けの雑誌を1冊用意しようと思います。
講演シリーズ終了

7月の講演シリーズが終了しました。6月に入ってからは毎日準備で忙しく、7月17.18日に行われた「臨床基本ゼミ」の前には完全に体調が悪くなってしまい復活するのに2.3日かかりました。この臨床基本ゼミでは1日目に咬合育成と歯牙移動の講義を6時間、2日目は歯牙移動の実習を3時間担当したので6時間しゃべり続けるのにも疲れましたが実習の準備も大変でした。写真が実習に使用した模型の一つですが大臼歯のアップライトとその後の近心移動のタイポドント実習のために製作したものです。アルミの枠は近所の工場にお勤めの患者さんに切断してもらいその中に人工歯をならべました。この模型の製作は勤務医の中村先生が担当しました。実際にお湯につけて歯が動くかどうか事前に実験を行ったりビデオを撮影したり、他のスタッフの協力もあり何とか当日を迎えることが出来ました。
実習の中で一番評判が良かったのは自作のバッカルチューブの製作法でした。写真のようにアップライトの装置には既製のブラケットやチューブは一切使用しない方法を紹介しました。まずコンポジットレジンの上に018x025のワイアーを置いて光硬化させます。そしてその上にまた一層コンポジットレジンを置いて光硬化させチューブの完成です。移動に使用するワイアーは一回り細い016x022ですのでチューブの中は楽に通ります。既製のメタルのものと比べると強度は落ちますが症例を選べば十分使えます。 これでしばらく休憩、夏本番です!
コアーのセット

コアーのセットにはかなり以前からサンメディカル社製のスーパーボンドを使用しています.コアーのトラブルは冠脱離などのトラブルに比べても多く、コアーごとの脱離や歯根破折などいつも頭を悩ませています.最近ではファイバーポストなども出てきていますがやはり心配は接着です.スタディーグループの中でもコアーの接着にはスーパーボンドを使用している先生が多く、今のところ最も信頼できる接着剤ではないかと思っています。しかしその操作性はあまり良くなく、ポストの中を確実に表面処理し、乾燥してスーパーボンドを流し込むにはコツが必要です。
数年前からコアーのセットにはミニピペットを使用し接着作業をスムーズに進めています.それまで探針などにからませて入れていたのに比べると数倍楽に作業を進めることが出来ます.手順は図の通りですが粉をやや少なめにし流動性をよくしておくことがコツです。メーカーによれば粉液比が変化しても硬化後の物性には影響しないということですので多少ゆるめにして使用しても問題無さそうです。
このミニピペットは通販会社のフィードで購入でき1本単価14円程度です。一度試してみて下さい。