この先の歯科界

きのうに続いてきょうは母校同窓会の90周年シンポジウムに参加してきました。80周年の時には演者の1人として講演しましたが今回のテーマは「保健・医療・介護・福祉をつなぐための歯科からの提言」で、歯科界の大きな流れはもはや補綴や審美ではなく社会から求められている緊急の課題に対してどのように応えていくかになっています。私たちはどのように応えていけば良いのでしょうか。診療室から一歩出ると医科や介護の世界から歯科への期待や要望を強く感じます。今回のシンポジウムでも何名かの先生からの提言として「とにかく診療室から一歩出てみてください」という意見が出ていましたが、まさにその通りです。その中で私たちは歯科医としてしっかりとした歯科治療を行っていくことが大切で医科の領域までのことを求められている訳ではありません。自分の行った処置の経過をしっかり見ていくということでまずは技術を磨く必要がありますが自己満足になってはならず、患者のためになっていなければなりません。時間軸の中で元気な時は精一杯の歯牙保存と咀嚼機能の回復に努めなければなりませんがそれだけが私たちの仕事ではありません。元気でなくなったときにどのような終末を迎えさせるのかも大切な仕事の一つでそれも経過観察の延長だと考えれば頭はスッキリします。