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食べる力

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書店で見つけた新書です。作者はジャーナリストの方ですが、もともとは胃瘻について取材を続けるうちに患者が食べられないのではなく食べさせないようにしているのが医者や病院だということがわかったということから話は始まっています。食べる力を維持し引き出すのは歯科医の仕事であるということが書かれておりこの分野に早くから取り組んでこられた先生方の業績が数多く紹介されています。「食べること」の専門家であるべき歯科医師は自分の入れた義歯で患者さんがどのように食事をしているのかをほとんど見てきませんでした。そのため義歯の装着時に指導するのは着脱の仕方や清掃法くらいで食べ方を教えることはありません。次の調整時にも咬合状態や粘膜面の当たりを見るくらいで何が食べられたか食べられなかったを聞くようなこともありませんでした。こういった内容の本が多く出版されるようになり、私が出席している地域包括ネットワークの会議でも医師の先生方から「食べることは歯科医にやってもらいたい」などの意見も出ていますので「食べること」にかかわる機会は今後より多くなってくることでしょう。子どもたちの筋機能訓練にもかかわることですので、まずは診療室から始めなければなりません。

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Author:kanahakihei
街の普通の歯科医院

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