歯科用金属の高騰


歯に被せたり詰めたりする金属の値段が高騰しています。健康保険で使用している金属には厚生労働省がきめた規格があり、金12%、パラジウム20%、銀52%、銅15%が含まれています。しかし金もパラジウムも相場で値動きがあり最近の相場の高騰で保険点数も上昇しています。一本の奥歯に被せる冠の値段はこの3ヵ月で17%も上昇し、この2年で5割弱も上昇してしまいました。それも金属冠だけの価格でこの他に歯を削って歯型を採る費用や歯に接着する費用などがかかり保険診療といっても3割負担の方では高額な支払いになってしまいます。先月のある歯科技工所からの請求書では金属代が技工料金の2倍になっていました。技工所はその分金属をストックしておかなければならないので大変なことになっています。患者さんの支払い額は増えていますが歯科医院も歯科技工所もその分を金属屋さんに多く支払っているだけのことになります。国としては金属を使わないように硬質プラスチックの冠を奥歯にも使用できるようにして対策をとっています。患者さんは銀歯でなく白い歯になるので一時的には喜んでくれますが、すぐに削れたたり外れたりで基本的な咬む機能が維持できないので美容を優先する方ならまだしも医療としてはとても勧められません。何と言っても自分の歯が一番です、金属の歯にならないように自分の歯を大切にして下さい。