臨床の玉手匣「小児歯科篇」
50年モノのギター

絶対に無理だから止めておけといわれた高校に奇跡的に合格した私は、親に合格したら買ってもらう約束をしていたギターを買いに合格発表のあったその日にお茶ノ水のイシバシ楽器店に向かいました。その時に購入したギターはjumboというメーカーのものでした。中学生レベルが購入する価格帯であれば普通はモーリスかヤマハを購入するところですが、その頃から人と同じなのは嫌だという性格でお店の方に勧められたこともありこのギターを購入しました。最近になってネットで調べてみると、当時それなりにこだわりのある職人さんが作られたギターらしくそこに刻印されている数字には意味があることがわかりました。5ケタの真ん中に刻印されている数字は1973年に作られたという「3」の数字ということです。あれから50年が経ち2023年になりました。50年も持ち続けているものは自分の身体とこのギターくらいです。腕前は高校生の頃がピークでしたがいつも一緒にいたギターでとても愛着があり、いまだに現役でそれなりにいい音がでており、どんな高価なギターよりも自分にとって価値のあるものです。
光学印象で製作した拡大床装置
光学印象の導入

子どもたちの矯正治療用の床装置を製作する際にどうしても必要になるのが口の中の歯型です。以前よりアルジネート印象材という口の中で固まる粘度のようなものを使用していますが初めてこれを行う子どもたちは大変です。型どりを嫌がる子や嘔吐してしまう子もいて、やられる方もやる方もかなりのストレスになっていました。数年前から口腔内カメラで口の中をスキャンして歯型をとる方法が開発されてきましたが精度にこだわってきた身としてはとても導入する気にはなれませんでした。しかしこのシステムも年々進歩し、矯正装置なら問題なく作れるだろうと思い製作してくれる技工所にも相談し今回導入することにしました。スキャンカメラやそれを写し出すモニターの準備など各診療台でやりやすいようにいろいろとシステムを構築しました。これで子どもたちにも我々にもストレスなく型どりができるようになりました。
拡大鏡
システム構築はまだまだ
歯みがき粉の掲示板
バースタンドのセットが完成
リチウムバッテリーが発火

週末の福岡講演のために乗った飛行機が滑走路に向かっているときスマホに電話が入りました。通話はできないのでメッセージを送ってもらうと医院のCTから煙が上がっているという緊急連絡でした。取りあえず電源プラグを抜いて様子を見るようにとメッセージを送ったたところで飛行機は離陸し圏外になってしまいました。福岡空港に到着してすぐに連絡をとるとCT本体でなく遠隔サポート用のモデムのリチウムバッテリーが発火したということで本体には問題がなかったことがわかりました。リチウムバッテリーからの発火は報道やネットでよく聞きますが自分の身に起こるとは思ってもいませんでした。今回はたまたまスタッフが残っていたので良かったですが夜中に起こって火事にでもなったら取り返しがつかないことになっていました。メーカーには緊急の対応をお願いしました。
拡大床治療について
当院で拡大床治療を受けられた患者さんからの紹介で歯並びの相談で来院されるお子さんが多くいます。拡大床治療はすべてのお子さんにできる治療ではありませんので残念ながら治療に至らない場合もあります。せっかく来院していただいてもご希望にお答えできないこともあるので事前に当院での拡大床治療についてお知らせしたいと思い、「拡大床治療」についてのページを当院でホームページに追加しました。これから拡大床治療を始めようとお考えのご家庭では、診療の申し込みをされる前にお読みいただければと思います。